第七世界

「何があったんだよ?」

他の奴らに邪魔されない場所である、屋上の隅っこを選ぶ。

「あいつら、後輩の女いじめとったんや」

「後輩って、お前の知り合いか?」

「知らん」

こいつは俺と似ている部分があると思う。

やたらと首を突っ込みたがるんだよな。

それが、曲がった事であるならば、尚更である。

「お前のやった事は間違えではないわな」

「そうやろ」

「間違えではないけど、正しくもねえよ」

「そんな事ないわ!」

意固地になるのも分からないでもないが、刹那は後の事を考えてない。

「お前のやった事はさ、一時的の処置でしかないんだよ」

「ふん」

「自分が正しい事やって否定されるのは気分が悪くなるだろうが、ちゃんと話を聞け。後輩が自分自身で問題の根底を解決しない限りは、いじめが続く可能性がある」

「あいつらの性根を叩きなおすくらい痛めつけたんやで?」

「それはお前に対しては何もしない可能性が増えたってだけで、その後輩は何も出来ない状態のままだろ?お前がいない場所で後輩が同じ事を繰り返された時に、お前はどうしようもないわけだ」

そして、一番厄介な事もある。

「そして、別の可能性でいうなれば、お前に矛先が向くという事だ」

「そうなったら、またやるだけや」

「刹那、お前が正しい事をした分だけ、お前に降りかかる火の粉の量は増えるんだ」