第七世界

「しかし、それだと気まずいし」

寂しいとは口には出さなかった。

今まで一緒にいたんだし、あいつの傍若無人の様は腹が立つこともあるが、俺に対しての愛情表現の一種だという事も忘れてはいけない。

本気で殴る事もあるが、死ぬほどのものでもないしな。

「でもなあ、あいつは何を考えているか分かりやすい時と分かりにくい時があるんだよ」

人間だから、全ての考えを見通すという事は難しい。

今日みたいに情報が少ないと分かりにくい。

「刹那はどこに行ったのかねえ」

廊下を歩き続けて、数分が経った。

刹那と思しき背中を見つけた。

女生徒達に囲まれながら歩いている。

なにやら仲良く談話しながらというわけでもない。

不穏な空気が漂っている。

声をかけるべきかどうか迷ったが、少し様子を見てもいいだろう。

後をつけていくと、人気のない場所にたどり着いた。

険悪なムードで他の三人が刹那に言い始めた。

よくは聞こえないが、明らかによくはない雰囲気だ。

俺がしゃしゃりでていいものだろうか?

「あんたらみたいなカスが邪魔やから言っただけやろ!」

刹那が特大の爆弾を投げつけた。

どうやら、喧嘩を吹っかけたのは刹那のほうらしい。

しかし、むやみやたらに刹那が喧嘩を吹っかけるだろうか?

何かしらの出来事があったから、問題になっているわけで。

「はあ?あんたがアタシ達の遊びの邪魔したんでしょうが」

「カスの遊びなんて知らんわ」

そして、女生徒の一人が刹那につかみかかる。

しかし、刹那はその腕を持って、技をかけた。