「いててて、お前はちょっとは加減ってものができねえのかよ」

いくらタフな自分でも、いつかは壊れてしまうだろう。

「恭耶もちょっとは落ち着いたらどないなん」

刹那は先ほど買ったラーメンをすする。

ちなみに、俺はカツカレーだ。

しかし、刹那に落ち着けといわれるのは心外である。

先ほどの原因を作ったのは俺だが、口で言えばいい話だ。

飯中に余計なことを言うと、食っている物がなくなってしまう恐れがあるので、とどめた。

「落ち着く年齢でもねえだろ。しかし、ラーメン好きだよな。そんなにうまいか?」

「そや、僕の創作料理に匹敵するほどのおいしさやで」

俺は刹那のなめた言動を聞きながらも、のどまででかかっている言葉を何とかとどめる。

「恭耶」

再び犬子が現れ、俺の隣に座った。

「お前はストーカーか」

モブがどうなったのかは、聞かない事にした。

「いいじゃんいいじゃん。刹那は私が来たら嫌?」

「別に、ええ、けど?」

露骨に嫌そうな顔をする刹那。

「お前、顔に出てるぞ」

「見間違いや」

熱いのおかまいなしで、力強くラーメンをすすった。

「みんな楽しそうだね」

ついでにカレーを持ちながら、鬼の娘も登場する。

「佳那美、お前はちょっと空気を読め」

「何で、一番空気が読めてなさそうな鷹威君にそこまで言われなくちゃならないの?」

「勝ちはお前に譲る」

「そんなの要らないよ」

そういいながら、刹那の隣に座った。