他の教師達に嫌な目で見られながら、俺は自分の机を用意した。

ある意味、いじめに匹敵しているだろう。

そして、昼休み。

「はあ、やっと終わった」

肩こりを抱えながらも、立ち上がる。

「恭耶ー!」

犬子が俺の腕に抱きつく。

「ああ?何だよ?」

「日本の学校には、食堂ってのがあるんだよね?」

「あるが、俺はこいつと一緒に行くんだよ」

傍にいた刹那の襟首をつかみながら、引き寄せる。

「犬子と一緒に行けばええんちゃう?」

「昨日は散々、飯だどうだの騒いでたのに、いまさら何言ってんだよ。というわけだ、お前はそこのモブと飯でも行け」

俺は犬子の腕を解き、モブを犬子の前に突き出して、歩き始めた。

「恭耶」

刹那が後ろからついてくる。

「何だよ?」

「放っといて、ええんか?」

普段は何も心配しないような刹那だが、気持ち悪いほどにおしとやかだ。

これ以上の厄介ごとは増やしたくはないというのが本心である。

八方美人だの何だの、面倒なだけだ。

「お前さ、変なもんでも食べたのか?」

「どういう意味や?」

「あまりに静かだからな。てっきり広い食いでもして、頭の中やらかしたのかと思ったぜ。ついでに、身長もやらかしてるよな」

「やらかしてるのはあんたの言動や!」

日に日にレベルが上がっている、打撃を与えられ俺は後方に吹っ飛んだ。