俺達は学校へと走る。

「ギリギリ間に合うな」

「はあ、恭耶がもっと要領よく教えてくれてたら良かったんや!」

俺よりも体が小さい刹那にとっては、苦痛だろう。

本当ならば、走る必要なんてないんだからな。

「しゃあねえな」

走っている刹那を負ぶって、再び走る。

「ちょ、何してるん?」

「こうした方が速いんだよ」

学校間近で人だかりが出来ている。

生徒達も何人かいるようだ。

「またかよ」

しかし、俺達には関係のない話だ。

そう思いながら、横を通り過ぎようとした。

しかし、人だかりの中には、乾の姿もあった。

「乾」

俺は珍しい男がいたので、足を止めてしまう。

刹那は俺の背中から降りた。

「あんた、何やってるん?」

刹那が乾に近寄っていく。

「刹那、知り合いだったのか?」

「まあ、色々とあったんや」

乾は俺達を一瞥する。

腰には刀の刺さった鞘を常備している。

「お前達、夜は外に出るな」

帽子を深く被ると、学校へと歩いていった。