「やるか」

緑の兵器のどこか悪かったかを考えるのは意味がない。

何故なら、どこをいじってもよくならないからだ。

「刹那」

キッチンから出て行こうとした刹那の両肩を掴む。

「離し、ボクはもうキッチンなんか入らへんもん」

今日一日災難だったのは俺のほうである。

しかし、笑顔で対応することに決めた。

「前の約束、覚えてるか?」

「約束?」

「一緒に料理作るっていっただろ?」

「でも、今日はもう、疲れた」

「分かったよ。じゃあ、明日やるぞ」

「どうせ、また約束破るくせに」

口を尖らせながら、拗ねた口ぶりで言った。

「明日の朝だ」

「学校はどないするんよ?」

「遅れてもやる」

変わりに楓に点数という名の生命力を剥奪される事になるだろうけどな。

「ボクが授業うけられへんようになるやんか」

「お前、寝てるじゃねえかよ」

「睡眠学習や!」

自信満々に言っているが、確実に次のテストの点は期待できないだろう。

「はあ、うんじゃ、今日は風呂でも入って寝ろ。俺はここを片付けとくからよ」

俺は手袋をつけて、兵器の処理を行おうとする。

「恭耶」

「何だよ?」

「今日も、一緒に、寝てええ?」

まだ立ち直ってはいないのか。

それとも、単に寂しいだけなのか。

「分かったよ。だから、風呂に入って来い」

「うん!」

笑顔になりながらも、風呂場へと走って行く。