破天コウ!

 先程まで充ち溢れていた勉強への熱意は何処へやら、もはや完全にやる気を失ったおれではあったが、もう眠れそうにもなかった。

 手持無沙汰となったおれはどうしようもなく、開いていたノートに落書きを始める。いつものクセだ。

 落書きとはいっても、絵を描くわけではない。おれの場合は物語やらセリフやらだ。

 高校や予備校では授業が暇になるといつもルーズリーフにいろいろと書き始めるわけだ。

 まあ、暇になるというよりもわざと暇にしていたのは周知の事実ではあるが。

 熱中しすぎていて、「相変わらずの中二病ねえ」と呟かれるまで、隣の彼女の視線に気が付かなかった。

 彼女の方を見る。何故かはわからないが、懐かしいものを見るような優しい目。彼女は、微笑んでいた。

 と、いうか。『相変わらず』とは何だ。貴女は一体おれの何を知っているというのだ!

 なんて憤ることもなく、おれは何とは無しに「相変わらずで悪かったな」と答えておいた。

 そのまま平穏に講義は終了。結局、今までと何にも変わらんな。大学に入ったからって心機一転勉強出来るわけでもないってことだ。

 この辺は性格だからもう仕方がないといえば仕方ない。

 ほら、よく言うでしょ、三つ子の魂百までって。

 その後、次の教室へ移動しようとしたら、彼女に首根っこを引っ張られて引き留められた。