「あ、あんた、あたしの為に死になさい!」

 諸兄、こんばんは。

 大した事件にも遭遇せず、お友達の数とお外でお日さまの光を浴びながら遊んでいる時間が少々遠慮気味ということ以外は、何ら他の一般の方々と違いの無い平凡な生活を送っていたのは何を隠そうこのおれ、京極ユーキである。

 人より多く経験したといえば、自宅警備の時間ぐらいだろうか。とは言っても、単にダラダラと過ごしてきたわけでは勿論ない。

 某漫画に某小説、某アニメに某映画……それらとは積極的に関わってきたわけである。

 何ぞこれー、と叫びたくなるような物語に沢山触れてきた。

 感動的なもの、ハラハラするようなもの、キャラクタがカッコ良すぎてもうなんかキュンキュンなるもの、ヒロインが可愛すぎてドキドキするようなもの。

 ああ、それにカッコ良い台詞にももう飽き飽きする程に出逢ってきた。

 昨年の浪人中、予備校の廊下で「オレの右手が光って唸る、オマエを倒せと輝き云々」、「興味無いね云々」、「あんたは何もわかって云々」。台詞を叫んでいたのは記憶に新しい限りである。

 某死神マンガの某探偵に成り切っていたこともある。某ライト(決して月ではない)ノベルのツンデレヒロインに心ときめかせたこともありけり。