掟破りの王子様

「…姫梨」

「…え?」

話しかけられて少し驚いた。

それでも、姫梨と呼んでくれたことが堪らなく嬉しくて。

「別れる理由、聞かないのか?」

ドクン…―

聞きたくても聞けなかった。

嫌いになった、とかだったらと思うと怖くて。

「き…聞いても…いいの?」