掟破りの王子様

「…送るから」

私は、こくんと頷くことしか出来なかった。

理一くんがブランコから飛び降りて、

両手で鎖を掴んで揺れを止めた。

あんなに短く感じた道が

今見ると先の見えない道。

繋がない手が

とても寂しそうに思えた。