掟破りの王子様

「ひーめりっ行くぞ!」

放課後、理一くんに手招きされる。

すっかりクラス公認の仲…だけど、

やっぱり皆の前は恥ずかしい。

「ぅ、うんっ…」

俯いて理一くんの後ろを歩くと、

右手が引き寄せられた。

あっというまに理一くんの左側に吸い寄せられて、

私の頬は赤く染まった。

今日ばかりは、周りの視線なんて気にならなかった。

人気のある理一くんと手を繋いで歩く。

何か言われるに決まってる。

なのになんだか嬉しかった。