「ふふっ…」

上では王梨ちゃんが笑ってる。

真上にいるから、表情は見えないけど、すごく穏やかに笑ってるのが分かる。

王梨ちゃんが私を抱く強さを少しだけ、強くした。

きっと、私しか気付かないくらい少し。

王梨ちゃんも気付いてないのかもしれない。

私はほんの少し、違和感を覚えた。

どこが違うのか分からない。

何が違うのか分からない。

でも、何かが違う。

段々と、王梨ちゃんと理一くんの声が遠のいていく…。