『ぁ、ぅ…うん わかったよぉ。 了解ー。 じゃ、またねぇ』 とにかく 早く電話を切りたくて。 夕陽は私の顔を 見つめていた。 『何?』 夕陽は親指で 和人の事を指した。 「行ってこいよ。 咲なんていいじゃねーか。 恋ってのは早い者勝ちだろ。」 『そーだけどさぁ…』 私は黙って下を向く。 あの日の放課後の様に。 その時だった。 「か…な…??」 公園から和人が 近づいてくる。 髪や服が雨でぬれていて、 和人の顔は赤かった。