「しばらく休暇だと聞いていたのでね」

「でもよくここだって……」

「あれは住所じゃないよ、お嬢ちゃん。こいつの携帯のGPS番号さ」

 ベリルを親指で差して続ける。

「こいつが何も無しに会おうなんて言う訳がない。ちゃっかり番号言いやがったから緊迫した状況だってのが解ったんでね。仲間を集めたって訳さ」

「……そうなんだ」

 なんとも無駄のないやりとりに少女はあっけにとられた。