プライム・レディ

「傭兵のお前がガードとはね」

「たまには良い」

 ベスを護るように立つ彼に口の端を吊り上げる。

「今更、護った処で何になる」

「お前が決める事ではない」

「大人しくベス嬢を渡せ」

「!?」

 ギュッとベリルの腕にしがみついた少女に男は舌打ちした。

「ベス嬢、無駄ですよ。いくらその男でもこれだけの人数を相手にあなたを護る事など出来やしない。彼が無駄に血を流すより、素直になった方が利口だと思いますがね」

「!」

 血……? 私のためにベリルが沢山血を流すの……? 男の言葉に体を強ばらせた。