今は使われていない事が伺える工場の中へ車はゆっくりと進んでいく──そうして少し開けた場所でおもむろに止まった。

 砂利が積まれていて、かつての賑わいも夢のあと。

「出ろ」

 ぶっきらぼうに発せられて、少女は彼の腕にしがみつきながら恐る恐る車から出た。

「!」

 見渡すとスーツを着た男たちがぐるりと取り囲んでいて、その後ろには使われなくなった砂利が3つほどうずたかく積まれていた。

「お目にかかれて光栄だ」

 目の前の男が下品に口の端をつり上げてベリルに言い放つその手にはショットガン。