「! あれ……?」

 少女は外の風景に眉をひそめた。

「パパの住んでる処って住宅街から遠いの?」

 家が徐々に減っていく。

「この方向だと廃工場だ」

 外を見つめてベリルがつぶやいた。

「え!?」

 次の瞬間、男の1人が2人に銃口を突きつける。

「ど、どういうこと……?」

「そんな事だろうとは思っていたが」

 悠然と足を組んで応えたベリルは怯える少女に小さく笑った。

「心配ない」

 少しも揺らぐことのない彼の声に少女は自然と笑みを返す。