プライム・レディ

 数時間後アムトラックが駅に到着した──少女は勢いよく降り立つと深呼吸して空を見上げる。

「ベリル! こっちよ」

 嬉しそうに駅の外へ駆け出す。

「エリザベス嬢ですね」

「え?」

 2人の男が彼女を呼び止めた。

「お父様から、迎えに行くようにと頼まれました」

「え~!? こっちでも1人で大丈夫って言ったのに……パパったら、心配しすぎよ」

 少女は不満気味に発する。

「……」

 怪訝な表情を浮かべるベリルを男は後部座席に促す。

 2人を後部座席に座らせて1人が少女の隣に腰を落とし、助手席にも1人乗り込み車は静かに発車した。