そうして、いつものように夕食を終えて個室に戻る──いよいよ明日はパパのいるサンフランシスコに着くと思うと、なかなか寝付けなかった。

「……」

 ふとベリルに視線を向ける。

 ぴくりとも動かず静かな寝息を立てて寝ている彼の姿に、麻酔を撃たれた時のことを思い出す。

 死なないから麻酔を使われるのかしら……麻酔について詳しいようだった。

 同時に、寝ている彼にキスをしたことも思い出す。

 あの時の胸の高鳴り……余計に眠れなくなってしまった。