ハンドガンの手入れを始めた彼を少女はジッと見つめる。

「興味があるのか」

「そういう訳じゃないけど……」

 戸惑いの表情にフッと微笑む。

「知ることは己の役に立つ」

「やっぱりそうかな?」

「彼らの助けになる事もあるだろう」

 自然な言葉に身を乗り出し、彼の説明に聞き入る。

「こっちとこっち、形が違うのね」

「こちらはオートマチック、こちらはリボルバーだ。構造がまるで異なる」

「へえ……」

 命を賭けて護ってくれているガードたちの助けに少しでもなるのなら……心地よいベリルの声と言葉は少女の心に深く染み入る。