朝食も終え、彼は少女を一瞥してのんびりと腰からハンドガンを取り出した。

「! それ、ベリルの?」

 頷いてハンドガンを手渡した。ズシリと重たい感覚にゾクリとする。

「……」

 これが昨日ベリルを撃ったもの……思い起こし眉をひそめた。

「どうして、銃なんてあるのかしら」

 彼はそれに苦笑いを浮かべる。

「人類そのもの。としか言えんな」

「じゃあ、人間は悪いモノなの?」

 不安げに見つめる瞳に小さく頭を横に振った。

「それも道具の1つでしかない。道具は使う者次第だ。それ自体に善悪は無い」

「でも、規制されてる国があるわ」

「それも正しい。1つの答えなどこの世には無いのだよ」

「よく、解らないわ」

「それで良い。いつか解る日が来る」