プライム・レディ

 静かに寝息を立てる少女に目を細めハンカチが巻かれていた腕を見つめる。

 その身は不死となり異常なまでの回復力を得たが痛みは昔と変わらない。

 痛みが

「自分は人間なのだ」

 と思い出させてくれる──数十年も昔、不死を与える力を持つ少女と出会い使わざるを得ない状況に立たされた少女はベリルに何度も

「ごめんなさい」と涙を流した。

 ベリルにとってそれは関心に値するものではなく、たった一度の力を使った事で少女が狙われる理由はもう無いのだという事実の方が重要だった。

 そんな事を思い起こし、膝の上で安らかに眠っている少女の頭をなでる。