夕食も終え再び部屋に戻る。

「!」

 荷物を整理しているベリルが手にしている血に汚れたハンカチを見つめた。

「ん? うむ。新しいものを贈ろう」

「ううん。いい、これで」

 手を差し出してハンカチを受け取る。

「血は取れない」

「それでいいの」

 これは私を護ってくれた証だもん。

 今まで気付かなかった。みんな命がけで私たち家族を護ってくれてたんだよね……私のワガママにもイヤな顔一つしないで色々聞いてくれてた。

 みんな家族だったんだね……自然と涙がこぼれ落ちる。

「……」

 その様子に目を細め少女の隣に腰を落とした。

 肩に手を添えられると力が抜けたのか、感情を抑えきれず彼にしがみついて泣き続けた。