静かに目を覚ましたベリルはすぐに周りの気配を探る。

 どうやら逃げ切れたらしい。

「!」

 小さく溜息を漏らして少女の存在を確認すると腕の中で静かな寝息を立てていた。

 目覚めるのを待っている間に寝てしまったようだ。

「ベス、起きろ。ベス」

「ん……もう起きたの?」

 目をこすりながら応える。

「戻るぞ」

「うん」

「! ……」

 撃たれた腕にハンカチが巻かれているのに気付いてそれに目を細めた。