次の店に向かおうとした時──

「!」

 ベリルは張り詰めた気配に表情を険しくさせた。

 気が付くと周囲に人がほとんどいない。この時を狙っていたか──!

「きゃっ!?」

 ベスの腕を掴み走り出す。

「な、なに?」
「来るぞ」

「!」

 振り返ると、怖そうな男たちが追ってきていた。

「……」

 視界に捉える程度に背後を一瞥し足を速める。

 個室で捕まえた男と気配が似ている……同じ組織の人間か? 相手はかなり本気らしい。

 追いかけてくる人間の数が増えてきた。