プライム・レディ

「ベス」

「何よ」

 後部座席をあごで示す。

「そこの荷物を持ってくれ」

「このバッグ?」

 後部座席に置いてあるバッグを引きずって肩にかけるとズシリとした感覚が肩に食い込んだ。

「何が入ってるの? これ」

「そこで車を乗り捨てる。出たら一気に走るぞ」

「走るのっ?」

 少女はげんなりした。