乗り場まではまだかなりある。

 遅れる事が日常の鉄道だがさて、どうしたものか……と思案してペロリと唇をひと舐めした。

「しっかり掴まっていろ」

「え?」

 アクセルを目一杯踏み込む。

「きゃあ! ちょっ、ちょっと……」

「喋るな。舌を噛むぞ」

「一体なんなのよ!」

「捕まりたくなければ大人しくしていろ」

「!?」

 その言葉に後ろを向いた。