深夜──少女はは寝付けなくて冷蔵庫に向かった。

 いよいよ明日から旅行が始まると思うと、嬉しさと緊張でどうにもこうにも眠ることが出来なかった。

「!」

 キッチンから少し光が漏れていることに気がつく。

 怪訝に思いながら近づくとそれは冷蔵庫の灯りだと解り、すでに誰かが冷蔵庫を物色しているのかと少し安心した。

 夜警の人かな? 目を懲らすとその影は少女の方に体を向けた。ベリルだ。

「何してるの?」

「巡回ついでに夜警の飲み物を取りに来た」

「巡回!?」