プライム・レディ

「はあ、のど乾いた」

 ひとしきり想像して満足したのか、つぶやくと立ち上がり階下のダイニングに向かう。

「あっ……」

 前からベリルが歩いてくるのが見えて、自分の家なのに少女は何故かギクシャクしてしまった。彼はさして気にせずに彼女を一瞥し横を素通りする。

「……なによ、あれ」

 ふつう挨拶とかするもんじゃないの!? 彼の態度にムッとして廊下をずんずんと強い足取りで進んだ。

 彼は意図的に少女と距離を置いていた。

 いくらこちらに興味が無くとも相手は多感な年頃だ、あまり接する事はしない方がいいだろうと正しい判断をしていた。

 すでに手遅れ。なのだが……