「みんな愛子見てるし!」

「も~照れるから本当にやめてよ~」

かわいいなんてうそだよ~

自分で分かってます・・・。

「あっ。稜哉クン来た・・ウガッ」

千穂は私の手で口を押さえられたため
声がうまく出ない。

「く・る・し・い・!!」

「あ~ごめん。」

一瞬稜哉をずっと眺めていたいなぁと
思ったからだ

でもそんなのは本当に一瞬だった。

すぐに稜哉の周りには
女の子たちが集まるから
ほとんど見ることが出来ない。

しかもときどき見える稜哉の顔って
笑ってたりするから
なおさら嫌な気分になる。

私だけの執事じゃないの?

そう思ったけど
朝、外では執事ではないですからね

といわれたことを思い出して
あふれそうな気持ちに釘を刺す。

「ヤキモチですか・・?」

いつのまにか
私の隣で解説をしているかのように
声に出していく千穂