くぅ・・・

絶対稜哉にはばれて欲しくない。

早く止まれ。

それなのに
両手で押さえてもいつまでも止まりそうになかった。

パサッ

音に反応して前を見てみると
私はふわりと誰かに抱きしめられた。

この部屋には稜哉しかいないことを思い出すと
抱きしめているのは
稜哉しかありえなかった。

今日は突き飛ばす力もなく
ただじっとしていた。

「今は誰も来ません。

 涙を流してもいいですよ。

 私がずっと居ますから。」


なんでか分からないけど
一番信用なんかしていなかった
稜哉に安心の心が持てた。