「社長。ナンパですよ。それ。」

「ま。今日は待ってて。」

う~ん・・・

ちーくんの考えていることが
よくわかんない。

「はい。」

そういうとちーくんは
慌ただしく
私たちの前を通った。

「愛ちゃん。

 社長のこと大変でしょ。」

「でも、なれました。

 家でもあんな感じですから。」

「社長らしいね。」

「あの・・・遅れませんか・・

 こんなにゆっくり歩いていたら

 会議・・遅れる気がします。」

「やべっ。

 急ごう。遅れる。」

私は溝井さんについていった。

そのとき、
ずっと会いたかった人が
私の背中を見ていたこと知らなかった。