血まみれピエロ

青年は、夢を見ていました。


火の粉飛び散り、兵士たちが戦う最中、彼はただ逃げることもなく噴水の前で横たわる。



何故か、自分の手は赤く染まっています。
彼は、腹部を見ました。
腹部を見ると、赤く染まっています。



そんな彼の手を握り締め、必死で呼びかける少女。


少女は、泣いていました。




『ねぇ、起きて。起きてよ、ねぇ…………!』




声は、次第に大きくなります。