刹那の憂い(セツナのウレい)

「無理にフォローしなくていいよ。

あたし、昔から、女の子女の子したものって、似合わないんだ」


「別に、フォローじゃなくて」


「いいって。気を使わないで」


「いや、本当に」


言いかけて、落ち着かない視線でこっちを見ながら、


「オレは、かっこいい女の子、嫌いじゃない」


なんて、優しいんだ、刹那って。

でも、利くなあ、その言葉。

自分の魅力を分かって、もっと発言には注意して欲しい。

でないと、ドキッとしてしまう。

あたしは、何とかニッコリ笑う。