刹那の憂い(セツナのウレい)

「違うよ」

あれくらいで、トラウマにはならない。

あたしにあるのはきっと、母上の呪縛。

いつも捕まってて、

自由がなくて。

高飛車に、

言うことをきかされていて。

それで、きっと、怒ってる女のヒトって怖いんだ。

「そう・・・か」

「うん」

「オレのせいじゃないわけだ」

あたしは苦笑する。

「うん。違う」