刹那の憂い(セツナのウレい)

「あたしが、座ってたから?
でも、あたしはただの付添いで、アマチュアバンドに興味無かったんだから。しかたがないじゃない」

彼は、目を伏せる。

頭にくるほど。

綺麗な色で、長い、まつげ。


「ごめんね。

そんなふうに何かされるとは、思わなかったんだ。

いい度胸だなあとは思ったけど」


いい度胸って。


「わざわざ謝りに来てくれたんだから、もういいよ。

ねえ?ねえちゃん」