刹那の憂い(セツナのウレい)

意外な反応に、驚いてしまう。

彼は真剣な目を上げる。


「その傷、オレのせいなんだ」


言われなくても、わかってる。



「あたしに向ってウィンクした。

あのあとあたしが、何かされることわかってて、やったでしょ?」


彼は黙った。

黙って、申し訳なさそうな目をあたしに向けている。