校舎を出て、
浮き足立つのを抑えながら
待ち合わせの場所を目指す。

校門の前にもたれかかった
その人を見つけて、
自然と足が速くなる。


「………蘭っ!」


彼の名を呼ぶと、
ゆっくりあたしの方を見て
ニッコリ笑ってくれた。


「…未来。早かったな。」


俺に会いたくて急いできた?
そう言ってニヤリと意地悪な顔をした蘭にドキッとした。
…だって凄いかっこいいんだもん。


「…ち、ちがうしっ!」

プイっと赤くなった顔を背けて言った。
図星だなんて恥ずかしくて言えない…っ。


「そ?ざんねん。」


そんなあたしを見てクスリと笑いながら、
凄く自然にあたしの右手をとって蘭の左手に絡めさせた。

ギュッと握った手が温かい。