……………








『それなら、
俺と付き合ってみる?』







…―――ドォォン




暗闇に一輪の花が咲く。


繋ごうとした言葉は
鳴り響く開花の音に
掻き消された。

身体の芯を震わす響きに、喉の奥でつっかえた感覚。



言いかけた言葉を呑み込んで、花火を見上げる彼女を見る。

花火に照らされた彼女の姿。
暗闇の中で一際輝いて見えるのは俺の錯覚か。


打ち上げられる花火の音だけが、この空間に木霊する。
まるで、世界には俺達だけしか存在しないような。