「…はな…び…?」

「うん。
後夜祭のフィナーレに打ち上げ花火やるでしょ?
あれ、ここからの眺めが最高なの。」


そう言って、
ふっと目を細めた彼女は
凄く大人っぽかった。



「…へー…。
…一人で見るの…?」

何となく哀愁の漂う彼女に、こんなことを聞いていた。何がしたいのか分からない。


「…あー…うん、
…だって外はカップルばっかだし。
なんか居づらいんだもん。」


寂しくなるじゃん。
自嘲気味な笑いを浮かべながら、彼女が言った。

……つまり、
さっきの告白は断ったってことか…?

そう考えて
張っていた気が少し抜けた。
彼女に気付かれないように、俺はふぅと息をついた。