「…あ!
ちょっとクーラーとめないでよ!暑いじゃん!」

「うるさい!
いいから買い物行ってきなさい!」


お母さんの怒声が響いて、
クーラーのリモコンを拉致されたままあたしの部屋からドスドスと出ていった。

…なんて横暴な…。


あの人、一度キレるとしつこいからなぁ。

ムシムシと冷気が逃げていく部屋の中で、
あたしは渋々ベッドから起き上がった。







「うあ~~…。」


家を出ると
容赦なく注がれる直射日光に、体がフラっとした感覚。
…熱射病にでもなるんじゃないの…?


早く買い物を済まして
リモコンを取り返そう。

そう決心して
真夏の太陽の下を歩き出した。