「………相沢?」


その声に心臓がドキンと跳ねた。

あたしはゆっくりと後ろを振り返った。


「た、高山君……!」


彼は靴を履き替えながら、こちらを見てやわらかく微笑んだ。


「今帰り?」

あたしの隣に立って尋ねる。

「う、うん。
委員会で遅くなっちゃって。」

隣の彼を見上げて答えた。

心臓がドキドキ煩い。


隣に立つ高山君とは頭一個分くらい身長差があって、
背高い…
今までこんなに近くに立ったことなかったから気付かなかったな。

あたしを見下ろす高山君の茶色の髪が揺れる。

胸のドキドキは加速する。



「俺なんか英語の課題出してなくてさぁ~、さっきまでずっと補習させられてたし。」

なかなか解放してくんねぇし、まじ最悪、
なんて言いながら眉を寄せて笑う高山君。