「……これを俺が返せと?」

「当たり前だろ!?
話しかける絶好のネタじゃん!!
これならいくらヘタレなお前でも話しかけれるだろ!!」

「………。」



話しかける…
まぁ確かに、自然かつおいしいネタだな。
でもちょっとベタすぎんじゃね?
忘れ物がキッカケって、いかにも一昔前の少女漫画の様な展開っつーか……



「おいおい。こんな素晴らしいキッカケを前に、何をまだ躊躇ってんだよ。」





キーンコーン…

授業が終わるチャイムが響く。



「………つか、
躊躇ってる時間ねぇよ?
次の授業、数学だぜ?」



「………まじで?」