「シャーッ、シャーッ」

光が音を発するはずがない。

しかし、そこにいた全員が、光が「シャーッ」という音を発したと思った。

天皇が御簾を斬った瞬間、巫女の体から光線が炸裂したのだ。

光は、一時的に皆の視力を奪った。

人々が茫然自失する中、ただひとり天皇が巫女と対峙していた。

天皇「この妖刀、一度抜いたなら血を吸わせねば鞘に納まらぬ」

切っ先が、巫女の首筋に当てられていた。

わずかでも太刀を動かせば、巫女の首は飛ぶであろう。

巫女
「うち完全二日酔いです
 立ちくらみやばくて
 ぶっ倒れそうだし頭いたいし
 昨日わめちゃ吐いたしー
 左目ずっとぴくぴくしてます
 がん見やめてねー」

まちがいなく天皇は、巫女の顔を見たのだ。

(つづく)

[お母様方へ]
この物語はフィクションであり、歴史上の人物、団体、事件とは一切関係ありません。