世界中を涙と感動に巻き込んだケータイ小説も、今回が最終回です。


(前回までのあらすじ)
巫女は、橘の宮を信じられるから、やっちゃったんです。
ノー天気な橘の宮には、巫女の想いがわかっているのでしょうか?
今、支えを必要としているのは巫女なのに...


【第十五話 最終回】
巫女は橘の宮に、おもいきり蹴りを入れました。

巫女、

「ヴァカ?
 有り得ない 
 あんた口軽すぎ
 あんたのせいで
 うち仕事なくなる
 お賽銭減るー
 参拝客こない
 まじで仕事変わりたい!
 ちゃんと考えなきゃ
 てか うちが変わんなきゃ!(涙」

橘宮、

「よく耐えたと思います
 俺も、まぢで限界っす
 はじめて巫っちゃんと会ったとき、
 めちゃくちゃ照れ屋で乙女でかわゆすだった
 一緒になりたいから、わざと言ったよ
 俺、巫っちゃんのこと、めちゃくちゃ大好きです
 離さないからね」

巫女「男ー☆」

二人は抱き合い、キスを交わしました。

橘の宮は、巫女の手を取ると、猫のミーミも抱えて、屋敷に連れて帰ったのです。

巫女はその時、妊娠三ヶ月でした。もちろん、橘の宮の子供ですよ。

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それから二人は、夫婦として、たくさんの子宝にも恵まれ、終生仲睦まじく過ごしたそうです。
そして巫女のいなくなった神社は、「できちゃった神社」として人々の信仰を集めるようになりました。

結局、この巫女が美人だったかどうかは、誰にもわかりません。

延暦天皇が巫女のことを「出っ歯薄目」と書いた木簡が、平安京跡から発掘されていますが、ただ単に悪口を書いてみたかっただけかもしれません。(本当は美人だった可能性があります。)

この「できちゃった神社」が、今日では縁結びの神様として親しまれていることは、皆さんも知っている通りです。

(完)