「…ふぅん。あっそ」

「へっ?」

「何だよ?」

「ふぅん、って…それだけ?」

「万引きくらいでイチイチ騒がねーよ。中学生かお前。つーか俺にとっちゃ赤の他人だしな」

「…精神年齢低くてスイマセンデシタネ」

でも…怒らないんだ。

あたしがやったとは思ってないにしろ、(嘘だけど)友達の罪を知ってて止めなかったあたしを、貴方は叱ると思った。

もしかしたら…

本当の ことを

言っても―――。

「……でもな、そいつに関して…ひとつだけ、許せねぇことがある」

「!」

「友達を…裏切った、ってトコロだ」

「………」

"友達ヲ……

裏切ッタ"

「売りモンならまだいい。イヤ、盗みはいいもんじゃねぇけどな?だけど…"友達から盗った"ってのは…その友達の親が、必死こいて稼いだ金を、自分の欲で奪い取ったってことだ」

"奪イ取ッタ"

「今まで積み重ねてきた信頼は、一気に崩れ去る。最悪、縁切られるかもしんねぇ。それがイジメに繋がったら?後悔してからじゃ遅ぇんだ」

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