パパは散らかった広告やら紙屑やらを拾ってる。


今から掃除機かけるつもりなのね。


パパは私の体を気遣って、苦手な掃除も進んでするの。






上手じゃないけどね。















でもパパただ紙屑をゴミ箱に投げ入れただけで、掃除機を出すことはなかった。



………どうしたのかしら。

もう夜だからご近所さんに遠慮して?


今更何を考えてるのかしら。


いちいち考えてる解らないわ、うちのパパ。


だから面白いのよ。













「瑠璃……今日パパはドッペルさんを見てしまったのである」



床を片付けたパパ。

いそいそと座布団に座って、テーブルを挟んだ先にいる私を見つめる。


てゆーか、何。


いきなり何なの。




てゆーか……ドッペルさんって…何?







私が無反応なのが寂しいのか悲しいのか……パパの綺麗な瞳は潤みだした。

………めんどくさい。



「ぅう………瑠璃が無視するよぅ……パパは今日の出来事を瑠璃に話してるだけなのにぃ……」


「ちょっと待って。今考えてるのよ。いちいち泣かないで頂戴」






どっちが親なんだか…考えちゃうわ。


パパは相変わらずメソメソしてるし、私めんどくさいの嫌いなのよ。






「パパ、いいから何が言いたいのかはっきりしてくれないかしら?」


「……ぅっ……わかったよぉ…」



もうすぐ三十路のいい年したオッサンのくせに語尾を延ばすのやめてくれないかしら。

まあそれがパパの特徴でもあるから仕方ないのだけれど。