ほんの一瞬、オイルのような、ガソリンのにおいがした。 「なぁ、ガソリンのにおいしなかったか?」 「・・・・した」 「ヤバイんじゃない?」 これは・・・ホントに・・・やばいな。 「入るぞ」 二人とも、声にはださなかったが、こくりと首をたてふった。 小さな門を開け、ズカズカと扉の前までたつ。 じりじりと太陽は、汗をかいた俺たちを照りつける。 セミは、シャーシャーとうるさく、俺たちに向かって鳴く。 やけに、家の中は静かだった。 不思議なくらい。 人の気がないほどに。