「黒川先生って、熱血だけど、優しいから。水着を忘れた人には、この予備用水着を貸してるんだよーー」
「へぇ・・・知らなかった・・・」
まぁ、確かにお人好しだけど。
超がつくくらいの・・・。
「で、その予備水着が、プールサイドの倉庫にあるんだよねー。それを見つけちった☆」
「『☆』はいらないぞ」
はぁ・・・ホント、こんなのでいいのか俺たちは。
さっきまで真面目な話だったじゃないか。
蒼井が苦しんでいるかもしれないじゃないか。
なのに・・・こんなに楽しんだら、いけない気がする。
「・・・京ぴょん。蒼井さんからの助けが来ない限り、私たちは待つことしかできないの。・・・だから、待っていてもしょうがない。だったら、楽しくしている方がいいでしょ?」
亜子が、京の思っていることを読みとったかのように、言った。
その表情は、優しく、母親のような表情だった。


