「戸田さん、ちょっといい?」


休み時間毎に、次々に現れる見たことのない男子。


目的は皆同じ。


「生徒会長さんの妹でしょ?」


あたしは頷く。


「会長さんって彼氏いるの?」


毎度毎度同じ質問。


「いないよ」


あたしは淡々と答える。


「じゃぁ、これ俺の…」


その人が携帯を開こうとするのを止めるように。


相手の言葉を遮って言う。


「ごめんね。お姉ちゃんに禁止されてるから」


あたしはそれだけ言うと向きを変えた。


あとどれくらいこの繰り返しだろうか。


あたしは小さくため息を吐いた。